放射線科
放射線科では、地域のみなさまに、診断価値の高い画像情報を提供できるように、最新の技術や装置の導入につとめ、検査に対する安全性の確保の上、当院の理念である「やさしさと 思いやりと 機敏さをもって」をモットーに検査にのぞんでいます。
検査の際の「不快感」をなるべく取り除くために、例えば、入院患者さんのポータブル出張撮影の際、下図のようにクッションの付いたホルダーにより、「冷たい」「痛い」をやわらげています。撮影台もクッション付きのものに変更しました。また、動きが予想できない患者さんのために、転落防止用のベルトを用意しています。
各検査について
検査内容 | 所要時間 | 放射線技師より | ||
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X線撮影 | 胸部や腹部、膝関節や肩関節、股関節、腰椎や頚椎、手足の撮影が主な撮影です。 | 1分から10分、部位・撮影枚数によります。 | 痛みも熱さも無いです。 | 部位によっては、検査衣に着替えていただく場合があります。 |
MRI | 脳血管や微小な脳梗塞が描出可能です。腰椎や頚椎のヘルニア等の描出に優れています。関節の病変の描出に優れています。当院のオープン型なので、閉所に弱い方でも現在のところ、検査を無事完遂しています。 | 30分前後です。 | 痛みも熱さも通常は無いですが、撮影中は「騒音」があります。 | ペースメーカー・除細動装置類を着けた方は検査ができません。 |
CT | 被ばく低減できる、最新CT装置です。大腸CT(大腸3D-CT)が検査できる高性能装置です。通常は20秒前後の息止2回で検査終了します。 | 撮影時間そのものは数分です。 | 通常検査では痛みは無いです。 | 撮影する部分には金属類が無い様にする必要があります。 |
マンモグラフィ | 乳がん検診の主要な検査方法です。乳がんによる死亡率を下げる、科学的根拠のある検査です。 | 撮影時間そのものは5~10分です。 | 圧迫による痛みがあります。 | 圧迫すると、診断能力があがり、かつ被ばくが低減できます。 |
デジタル透視撮影 | 胃の検査や大腸バリウム検査(注腸)ができます。その他透視下で様々な処置が可能です。 | 胃や大腸検査は10分~20分程度です。 | 胃の検査ではバリウムや胃を膨らませる粉薬の飲用が必要です。 | 食事制限や指定検査食の指示があります。注射があります。 |
トピックス 大腸CT検査(大腸3D- CT スリーディシィティ 検査=仮想内視鏡検査)ができるようになりました。
「注腸様画像」「仮想内視鏡画像」「仮想病理展開図」 すべて同じCT撮影データから作成されます。
数年前から大腸CTの研究・治験に取り組んできました。最大の特徴は注腸検査や大腸内視鏡検査に比較して、下剤等の薬剤の飲用量がすくなく、正味10分から15分程度のCT検査で終了する、受け易い検査です。撮影線量も最新の被ばく線量低減ソフト(逐次近似法応用)を搭載した当院のCTにて、通常の腹部CTの10/1位の線量で撮影できますので、健康な人の大腸がんスクリーニング検査としても十二分に使用可能です。がん化するリスクが出てくる6mm以上の大腸ポリープの検出は内視鏡と同等とされています。
放射線部門設備機器概要
MRI(磁気共鳴断層撮影装置)磁場と高周波による全身の断層撮影診断装置
当院のMRIはオープンタイプの為「トンネルタイプのMRI」では圧迫感があって検査ができなかった「閉所空間に弱い方」でも検査が可能なタイプです。脳の小さな病変が見つけやすく、頚椎や腰椎ヘルニア等の診断、膝関節等の軟部組織の描出が得意分野です。また薬を使用しないで脳の血管や胆のうや胆管を描出できます。X線検査(レントゲン撮影)でも映らないレベルの骨の挫傷の描出ができます。早期の脳梗塞の描出に優れた「拡散強調画像」も頭部ルーチン検査に組み込んであります。
CT(コンピューター断層撮影装置)X線による全身断層撮影診断装置
脳卒中の診断にはかかせません。また腹部や肺野が得意分野です。2013年9月には大腸CT検査が可能で、被ばく線量低減化ソフトの入った最新のCTを導入しました。従来の「断層撮影」から「容積撮影」が基本となり、任意の断面による診断画像の作成が可能となりました。
また血管造影検査がCT血管造影(CTA)に置き代えることができて通常の動脈血管造影検査に比較して体への負担が小さくなりました。矢印は下肢動脈欠損部分
CR(デジタルX線撮影システム)
X線診断のために最適な画像が提供でき、またデジタルデータのため保存・呼出比較・複写・通信転送にすぐれ院内外の医療連携にも貢献できます。
マンモグラフィ(乳房専用X線撮影診断装置)
最新鋭のドイツ シーメンス社のマンモグラフィ専用に作られた撮影装置で、乳がん診断に欠かせない微細石灰像の描出や高コントラストによる腫瘍等の描出に威力を発揮しています。「マンモグラフィ検診精度管理中央委員会」の精度管理に準拠した、装置精度管理・撮影・読影をしています。
デジタル透視撮影装置
胃透視や最近多い注腸(大腸のバリウム検査)を中心としながら腎臓尿管の造影検査等各種透視下の検査を行います。
オステオアナライザー(骨密度測定装置)
腕を10数秒間置くだけで、全身の骨の状態を把握する測定装置です。骨そしょう症の予防や治療判定に欠かせない診断装置です。
Cアーム(手術用X線透視撮影装置)
おもに整形外科での手術に使用されます。特に股関節手術での手術精度を高めます。
フィルムレスPACS
当院のすべての検査画像をデジタル化して高性能の医療モニタで診るフィルムレスのシステムになりました。画像診断用にはマンモグラフィ読影も可能な世界トップレベルの15M相当モニタ(5Mモニタのサブピクセルの活用で)を配置して検査画像を診ることが可能なシステムになっています。また全科および病院内のほぼすべての部署に高性能医療用モニタを配備し患者さんの現在・過去および様々な画像データを瞬時に表示できるため、総合的な画像による診断が可能になり、診断力が高くなることで患者さんへの適切な診断治療に役立ちます。
オーダリングシステムの導入(2014年)
スムーズな検査予約が可能となりました。この後電子カルテに移行予定で、医療情報系も電子化することで、画像情報・医療情報が総合的に瞬時に一元表示され、診断能力の向上や会計待ち時間の短縮など医療サービスの向上が今後見込まれます。